1. 育休・産休中の役員への日当支給の可否
育児休業中の役員(取締役)は、従業員と異なり法的な「育児休業」制度が適用されません(育児介護休業法は労働者が対象)。したがって役員の「育休」はあくまで実質的な職務執行の停止であり、役員報酬・旅費日当の扱いは出張の実態によって判断されます。
育休中であっても、役員として実際に業務目的の出張を行った場合は旅費規程に基づく日当を支給できます。ただし「名目だけの出張」は認められません。出張の業務目的・GPS記録・訪問先との記録を必ず保存してください。
2. 育休中の役員報酬と日当の税務処理
| 項目 | 育休中の扱い | 注意点 |
|---|---|---|
| 役員報酬 | 支給継続は問題なし(定期同額給与) | 職務執行の実態との整合性 |
| 旅費日当 | 実際の出張がある場合のみ支給可 | 架空出張はNG |
| 社会保険料 | 育休中も原則継続(免除申請は従業員のみ) | 社労士に確認 |
| 所得税 | 役員報酬は課税・日当は非課税(適正額) |
育休中に役員報酬をゼロにするケースもありますが、その場合は役員報酬の変更手続き(定期同額給与の改訂)が必要です。年度途中の変更は税務リスクがあるため税理士に相談してください。
3. 育休復帰後の旅費規程確認ポイント
- 旅費規程の日当金額・出張定義が現状(業務エリア・頻度)に合っているか確認
- 育休中に旅費規程が改訂されていた場合は内容を確認
- TAXAVEのアカウント情報・申請フローをリセット・確認する
- 育休前と異なる出張パターン(リモートワーク含む)に対応した規程への見直しを検討
育休中の節税目的の名目だけの出張は、税務調査で問題になります。出張の業務必要性が明確でない場合は日当を支給しないことが安全です。
4. 夫婦で会社を運営する場合の育休×日当設計
夫婦二人でマイクロ法人を運営する場合、一方が育休を取る際の日当・旅費設計は特に注意が必要です。育休中の方への日当は出張実態なしでは支給できません。育休中の欠員を補うため、もう一方の役員の出張頻度が増す場合は、その分の日当は正当に支給できます。
夫婦法人の場合、同族会社の行為計算否認規定(法人税法132条)にも注意が必要です。育休中の日当・役員報酬の設計は必ず税理士に相談してください。
5. よくある質問
役員報酬と日当は独立した制度です。役員報酬を停止していても、実際の出張があれば旅費規程に基づく日当は支給できます。
役員報酬は原則として事業年度開始3ヶ月以内の改訂が必要です(定期同額給与)。年度途中の変更は損金算入に影響するため、必ず税理士に相談してください。
在宅業務は出張に該当しません。日当は出張(通常の勤務場所を離れて職務を遂行するために移動した場合)に支給されるものです。
6. まとめ
本記事の要点を整理します。
- 役員は育児介護休業法の対象外のため、育休は実質的な職務執行停止として扱われる
- 育休中でも実際の業務出張があれば旅費規程に基づく日当を支給できる
- 架空出張・名目だけの出張への日当支給は税務上問題になる
- 育休中の役員報酬変更は定期同額給与のルールに従い年度内に適切に処理する
- 育休復帰後は旅費規程の内容が現在の業務実態に合っているか確認する
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【免責事項】 本記事は一般的な情報提供を目的として作成されており、個別の税務アドバイスを提供するものではありません。記載内容は執筆時点の税法・税制に基づいており、今後の改正により変更される可能性があります。試算例・節税効果はあくまで参考値です。実際の税務処理・節税効果については、必ず顧問税理士または税務署にご確認ください。